AND SPACEのパンフレットへのコメント

パンフレットへのコメント

入船温泉 大坪 がく

御社の代表取締役から頼んでもないのにパンフレットが送り付けられてきて、さらに感想を4千字で待っていると無茶ブリをされたので、この忙しい三連休の中日にも関わらず、全ての業務を放棄して書くことにする。

御社の社員さん達に私の事を軽く説明すると、御社代表取締役の友人であり、コミュニティとエンタメにしか興味がない大阪市の端っこのお風呂屋さんだ。
銭湯は「ゴリゴリのエンターテインメント」だということに世間の皆さんはまだ気づいていないので、そこに気づいてもらうために今仲間といろいろ仕掛けている。
行く末はオンライン上のコミュニティとオフラインのコミュニティの境目をなくして「唯一無二のエンターテインメント銭湯」を創るつもりだ。
さて自己紹介はここまでにしておいて、まず軽い気持ちでササッとこのパンフを見て思ったことを書くことにする。

一言でいうと、「THE谷川感」
まず表紙はぶつけあいたいというメッセージ。
普通ケーキをぶつけ合うのは友達以上の関係性だ。赤の他人にすると確実にブチ切れられる。友達といる感覚に似たお互いより良い関係性でいられるようにするためのメッセージだと感じた。

谷川氏は良くも悪くもオブラートに包まない。友達でも同じだが、本音をぶつけ合うほうが距離感は近くなる。ビジネスでも同様だ。わかりやすくて、すごく面白い表紙。そして中を見てみると、各所にちゃんとロジックが詰め込まれていて、かつ圧倒的他者目線。ビジネスをするにおいて一番大事な部分をおさえている。そしてチーム感を出すことによって任せてほしいという「安心感」を演出している。とどめには青森駅から徒歩163時間(この細かい数字を出すあたりが谷川氏遺伝子を感じる)というあえて必要のないインフォメーションをお届けする茶目っ気も出すあたりがなんとも憎い。
このパンフはそこらへんのビジネス書を読むよりも参考になるし、ビジネスにおいてのヒントがたくさん散りばめられている。
そんな印象だ。

さぁでは深く掘っていこう。
まず「AND SPACEの人間は結構ハッキリ言います だからお客様にもハッキリ言われたい」すごく良い言葉。密にコミュニケーションをとりましょうと言うことをまず最初に伝えるのと伝えないのとでは大きな差が出る。まず必要なのは知識があるない関係なく同じ目線、同じ立ち位置だ。こんな当たり前のことですらできない企業はたくさんある。そして変に気を遣ってしまうとお互いのタメにならない。ロジックと優しさを感じる言葉がここには並べられている。正直な所、出来上がった制作物に対して、私みたいなど素人は何が良くて何がダメなのかという理屈があまりわからない。あくまでも「見た目判断」になる。だから“ある程度ちゃんとしている風”で持って来られると変に納得せざるを得なくなる。かといっていろいろ注文した所でそれが果たして他人に与える情報として正しいのかもわからない。知識のない者は極論他者目線に立てない。パートナーにするならそこをうまくフォローしてくれるような御社のような会社がベストだ。

自身の経験を言うと、私が営む銭湯「入船温泉」のホームページは御社に創っていただいた。その時にまず持ってきた資料の量に凄く驚いた。「調べに調べぬいている」なんなら私よりずっと知識を入れて挑んできている。徹底的に考えてきましたという勢いに圧倒された。その時点で自分にできることは引き算をするぐらいだと私は感じたのであまり注文はしなかった。というよりも恐らく引き算で済むように考えてきてくれたんだろうなという優しさを感じた。

基本姿勢である「分かり合えるまでとことん」「欠点だって大事な要素」「言えなかったはもったいない」この3点は優しさ以外の何物でもない。
取りこぼしがないよう徹底的に情報を聞くこと、そしてクライアントに細かい所まで言ってもらえるような姿勢でいることは何よりも大事なことだ。

そして最後の「最新の自分=最高の自分であるために」
私の大好きなアーティスト布袋寅泰さんも言っていた。「最新の布袋が最高の布袋。変わらないのもロック、変わり続けるのもロックだ」と。
常に成長し続けることを同じ目線に立って促してくれるパートナーがいるのといないのとでは圧倒的な差が出てくる。そこをしっかりサポートしてくれるのも御社の最高の武器である。

「優しさ」というのは大きく分けると2種類あると思っていて、読んで字の如く寄り添う形の「優しさ」、そしてもう一つは相手のことを想う厳しさという「優しさ」。御社は圧倒的な後者だ。
「視点はいつだってクライアントではなく消費者」実はこれが本当に難しい。他者目線というのはコミュニケーションで生まれるものだと私は思っている。ただモノによっては中々直接消費者に問いかける環境を作るのも難しい。そういう時に素直に相談できる場所・人がいることが何より必要だ。

どこにお金をかけるべきなのかというコスパを考える道筋において、必要なモノを削り、要らないモノを取り入れる場面も少なくはないはず。「要望に応える」という面において、クライアント目線で言うと、それでもいいかもしれないが、あくまでも消費者目線で取り組んでもらえるのはクライアントにとっては凄く意味のあることだ。それを伝えられる人が本当に優しい人だと個人的には思う。
そこを素直に受け入れられるグループが成長していくということにも繋がる。逆に付き合いを続けていくかどうかの判断材料にもなる。

いつだって「中途半端は最大の悪」だ。
中途半端にサポートして、中途半端な付き合いで、中途半端なお金しか生まない。両者にとって何のメリットも生まない。「最適な広告媒体をご提案」「あの手この手をご用意」「目標がぶれないように全体で意見を共有」「作りたいものではなくユーザーが欲しいものを作る」
この4つをクライアントと共に徹底的に向き合うことで生まれるものは今後両者にとっても大きな財産になる。

お金も生み、信頼を生み、そして経験を生む。
そういうことをずっと積み上げてきたからこそ、御社のような素晴らしい会社が創り上げられてきた何よりもの証拠だと思う。なかなか真似はできない。素晴らしいの一言だ。
そしてページを読み進めると「打ち合わせ」に関することが事細かく書かれている。自社のパンフに出し惜しみなくこういった形で出せるのは、何よりも自信の表れだと思うし、自社で徹底的に追求しているからこそだ。
ここも深堀していくことにする。

打ち合わせにおいて、まず大事なことはお互いを知ること。これは本当に間違いないと思う。
そこをうまく引き出す為にはコミュニケーション能力が試される。あくまでも一緒に創りましょうという姿勢が全面に出ていて、逆にこのパンフを見て創ってほしいものをそのまま創ってほしいというクライアントは現れないだろう。谷川氏は「効率」に拘っているように感じる。それは決して冷酷な意味ではなく、徹底的に優しさを感じるものだ。

「効率」を深堀していくと最終的に優しさに繋がる。ムダな寄り道を避けっていう部分が個人的には面白かった。ムダな寄り道をされている時の谷川氏の表情が目に浮かぶ。
打ち合わせルールは非常に細かく設定されていて、ここにも各所に優しさが垣間見える。
このルールが出来上がるまでに何度もトライアル&エラーを繰り返したんだろうなと思う。
いろんな角度からの目線が散りばめられていて、できるならこんな打ち合わせの現場に居合わせたい。他社の私にですらそんな感情が沸き上がる。クライアントなら尚更クライアント案件に対する打ち合わせは居合わせたいと思うだろう。最高のパフォーマンスになるに違いない。こんな質の高い打ち合わせに毎回ちゃんと向き合うことができるなんて最高に得をしている。それを社員が共有できているなら最強といってもいい。

そして最後はスタッフ紹介。
実はここは凄く大事だと思っていて、ちゃんとどんなメンバーがいるのかを可視化することは信頼に繋がる。
極論「何をやるかではなく、誰がやるか」だ。
情報やモノが溢れている中で差をつけるのは間違いなく「人」だ。実際にお会いしてみないとなんとも言えないが、ちゃんと会社にはどんな人が在籍しているのかを簡単でも知ることができるのはクライアントにとって嬉しいと思う。

圧倒的な他者目線、そしてスタッフに対する愛情、会社の雰囲気、姿勢。
このパンフは良い意味でも悪い意味でもアンドスペースという会社を丸裸にした「説明書」だ。この「説明書」を読んだ上でもし仕事が来たなら、スタッフは良い緊張感で仕事に向き合うことができるだろう。そして良い関係性を求めにクライアントが現れるだろう。

もうすでに気づいていると思うが、スタッフさんに伝えたい。「あなた達は最高についている」と。なぜなら今でもほとんどの組織が「従わなければいけない」という生産性が極めて低い枠組みがあるが、あなた達のいる組織は違う。あなた達は組織を全力で使える立ち位置にいるのだと。組織は全力で利用するべきだ。最高のフィールドにいるからこそ自らの力を高めることができる。しかも切磋琢磨できるなら尚更だ。
改めて言おう。素晴らしい会社だと。

最後に1ページ目の労力は最小限におさえたいのおさえたいは抑えたいが正しいのではないかと思っていることは内緒にはしない。