Date: 2017/09/25

使わないと損!Illustratorの線幅ツール

いよいよ食欲の秋到来!皆さん、美味しい秋の味覚を食べてますか〜? うちわをパタパタしながら七輪で焼いた秋刀魚。脂ののった秋刀魚は刺し身もまた格別。 きのこのたっぷり入った炊き込みご飯。ここに、根菜類も混ぜると尚美味しいですね〜!素材の旨味を堪能できる栗ご飯や、芋ご飯も素敵! 美味しいものに目がない小松には、誘惑が多い季節です。

今回はペンツールなどで描いたオブジェクトを、味わい深いイラストに変えてくれる便利な「線幅ツール」をご紹介します。

「線幅ツール」はIllustrator CS5から付いた機能ですが、恥ずかしながら最近まで使わないまま放置していました。これまでは、パスを用いた線に強弱や表情を加える際に、ブラシのカリグラフィやアートブラシを使ってきましたが、部分で調整したい時に少し使いづらい印象でした。

そこでおすすめしたいのが「線幅ツール」です。

線幅ツールを使ってみよう!初級編

「線幅ツール」はペンツールや鉛筆ツールなどを使って描いたパスの線幅を自由に変えることができます。簡単に線幅に強弱がつけられるので、とっても楽なんです!

【1】 Illustratorのツールボックスのピンクで印をつけたところが「線幅ツール」です。ショートカットではShift+Wで選択できます。 ※&_ではIllustrator CC 2017を使用しています。

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【2】 まずは、何の変哲もない実線と曲線の入ったローマ字の「K」をペンツールで描いてみました。

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【3】 「線幅ツール」に切り替えて、パスに近づけるとマウスポインターが「+」に変わり、選んだ場所のパスの太さをドラッグしながら変更していきます。

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【4】 パスを選択する際にShiftを押しながらドラッグすると隣のパスも含めて太さが変わります。Optionを押しながらだと、ドラッグする片方のラインのみ変化します。

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【5】 後から線幅の太さを変更したい場合は、手動でもできますが、プレビューを見ながら細かい調整がきくので「編集ダイアログボックス」からの調整をおすすめします。 調整したいポイントをダブルクリックして「編集ダイアログボックス」を開きます。

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【6】 今回の場合は上下になりますが、リンクを外すと側辺1と側辺2それぞれの太さを調整できます。

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【7】 筆記体を作る際、私はカリグラフィブラシなどを用いることが多いのですが、「線幅ツール」を使ってロゴを作ると、また違った面白さがでます。

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線幅ツールを使ってみよう!中級編

冒頭で秋の味覚のお話をしたので、それに因んだイラストでも検証してみます。 秋の魚と言えば秋刀魚が代表的かもしれませんが、一年で春と秋、二度も旬がある鰹も丁度美味しい季節です。この時期の鰹は「戻り鰹」と呼ばれ、餌をたっぷり食べて大きくなった魚体には脂がしっかりのっていることから、一部では別名「トロ鰹」とも呼ばれています。 あぁ鰹が恋しい・・・ということで鰹のイラストを使って「線幅ツール」の効果を見ていきましょう。


【1】 ペンツールを使って描いた今が旬の戻り鰹です。丸々した鰹だけど、イマイチ美味しそうじゃない。

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【2】 ブラシの「アート_木炭・鉛筆」を使って効果を出してみます。さすがブラシ!一気に手描き感が出てきました!が、しかし、部分的に線幅の太さを変えるのが少々面倒でもあります。

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【3】 ペンツールで描いた鰹に戻って「線幅ツール」を使って再度調整。ポイント選択・ドラッグを繰り返しながら線幅に強弱を付けていくと、メリハリが利いたいい感じの線になってきました。

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【4】 パスのアウトラインを取ってから、効果>パスの変形>ラフで線に表情を加えて塗りを足してみました!波はオマケ。 美味しそうな戻り鰹の完成です!! ※用心深い私は、後からの変更に備えてアウトラインを取る前の鰹のイラストもアートボード外にコピーして残しておきます。

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以前はパスで描いたイラストの線幅に強弱をつけたり塗りを入れる際、パスのアウトラインを取ってから作業をしていたので、あとから線幅を変えるのは苦労したものです。 この「線幅ツール」を使えば、太さも後からサクサク変更できるので、イラストに限らず色々な場面で利用できそうです。 但し、先にカリグラフィやインクなどのブラシで描いたパスには「線幅ツール」の効果が使えないのでご注意を。

小松

この記事を書いた人

高知出身のAND SPACEのオカン的存在。生来、絵を描くことが大好きで、壁に描いては親から目玉を喰らっていたほど。専門学校卒業後は印刷会社・広告代理店で10年以上デザイナーを務める。高知県美術展覧会グラフィック部門で最高権威の「特選」を受賞するなど、商業デザインとは違ったベクトルの作品づくりも活動中。紙からWebまで、クラシック・流行りのテイスト、デザインなら何でもござれで幅広く活躍中。