Date: 2020/10/13

「本を強制買取させられるサービス」Vol.4テーマ「中身が空っぽの本」

「本は値段以上の価値がある財産」そう話すAND SPACE 谷川と、「人々に本の価値を伝えるのが仕事」と熱く語る西日本書店 重永さんが

「本離れが進む昨今だからこそ、本の面白さや楽しみ方をどうにかお届けできないだろうか」

と考え、企画した「本を強制的に買取させられるサービス」もVol.4となりました。
今回はどのような本と巡り会えるのでしょうか?

ルール説明

・谷川が本のテーマを提示
・約1ヶ月後、重永さんがセレクトした2冊を谷川にプレゼン
・谷川はどちらか1冊を必ず買取らなければならない
・選ばなかった本は永久に買うこと、読むことができない(他店で買うのもNG)

今回のお題は「中身が空っぽの本」

このお題をとても楽しみにしていた谷川と、「何冊か思いつくから楽しみ」と安堵した表情を浮かべた重永さん。
本なのに「中身が空っぽ」という難解なお題ですが、重永さんは一体どんなアプローチで挑むのでしょうか?

登場人物


 


いやぁ〜、この企画も早いものでもう4回目ですね!慣れたもんでしょ?


慣れた?!またそんなこと言って…。


はは(笑)さて、今回のお題である「中身が空っぽの本」…早速、いってみましょう!


はい!頑張らせていただきます。

1冊目


1冊目はこちら『空気の発見』!読み物になります。


▲ノーベル賞受賞者が「科学者を志すきっかけになった」と言ったことで注目された『空気の発見』


ほぉ…空気と来ましたか。


はい。ご存知かもしれないですが、空気に重さがあることを発見したのって、 「科学の父」と言っても過言ではないガリレオなんですよ。


そうっすね。


ガリレオが空気の重さを発見してから、空気についての研究が盛んになっていろんなことが解明されたんですよ。解明される前は、空気の「空」っていうのは空っぽとかの意味で、「気」はその人の気持ちとか魂みたいなニュアンスだったみたいです。


見えないけど、そこにエネルギーがある感じってことですね。


そうそう!空気が「魂」のようなものだと考えられていた頃から、科学がどのようにして見えない「空気」を見えるようにしていったのか、という歴史を楽しんでいただきたい。そして、「空」についてすごく考えた人たちがいたってことを感じてもらいたいんです!


ほぉー。だいぶ捻った解釈。でもこれ、中身あるからテーマとは違うんですけどね(笑)


確かに捻りすぎた気がしないでもないですが…。

ストーリーテラーMの証言


ここだけの話ですが…。「中身が空っぽの本」にだいぶ苦戦してしまった重永さんは迷走しすぎてパントマイムを習得しようとしたそうです。
値段つけられないのに…。急にパントマイムをし始める重永さんはなかなかにシュールですね。

2冊目


ではでは、2冊目いきましょうか。


はい、いかせていただきます!2冊目は『葛飾北斎 雀踊り 360°BOOK』です。実はこの本、葛飾北斎が描いた雀踊りが1冊でうまいこと表現されているんですよ。


▲一級建築士の大野さんが手掛ける『葛飾北斎 雀踊り 360°BOOK』


ほぉ。箱、可愛いですね。


でしょう。これ、開けてもらえると一目瞭然なんですが、本に見えて本ではない、中身が完全に空っぽなんです。


▲開くとこんな感じで結構スケスケ。風通しが良さそう。


なるほど…まぁ、これ中身「ほぼ空気」ですもんね!


!!うまい!「ほぼ空気」っていう表現に持っていくんですね。それ、めっちゃ言いたかった〜…。


あはは(笑)「それ言いたかった!」ってことを言う、それがコピーライターですから。


あぁーなるほどねぇ…。まんまとやられた感。


あら。落ち込んでますね!


いやぁ〜やられましたね。


はは(笑)項垂れている重永さんは置いといて、お値段見てみましょうか!


▲『空気の発見』438円(税別)・『葛飾北斎 雀踊り 360°BOOK』2,500円(税別)


う〜ん、これは悩みますね。


悩むでしょ今回!両方ともアプローチの仕方が全然違いますからね。


そうですね…、タイプが違いすぎる!一応言うと、欲しいのは『葛飾北斎 雀踊り 360°BOOK』です。ただ、『空気の発見』を一生読まれへんと思ったら捨てがたい…。

中身が空っぽの本に選ばれたのは?


…悩みましたが、決まりました!『葛飾北斎 雀踊り 360°BOOK』でーす!


▲『葛飾北斎 雀踊り 360°BOOK』に決定!


ありがとうございます!今回は『葛飾北斎 雀踊り 360°BOOK』で。


いや〜「ほぼ空気」っていうコピーが良かったですね。


そうなると、僕の手柄が全然ないじゃないですか!


あはは(笑)まぁ、テーマに則してるのは間違いなく『葛飾北斎 雀踊り 360°BOOK』ですよ。『空気の発見』は、ちょっと捻りすぎましたね!


捻りすぎましたか。なるほど。


でも今回、いろいろ選択肢あったから悩んだでしょ?


そうなんですよ、選択肢の幅が広すぎて難しかった。空っぽとは一体なんなのかとか考えてたら哲学的なことになってきたりして…。あと、どんなエッジを効かせてやろうかって結構考えましたね。


はは。エッジを効かせて僕をギャフンと言わせたいですもんね、ドヤ顔したいですもんね!


そうね!でも結局、最後は谷川さんが全部持っていくんやけどね…。


▲ニヤニヤが隠し切れない谷川と、チクショウ…と唸る重永さん


というわけで、全部いいとこを持っていってしまった『葛飾北斎 雀踊り360°BOOK』を強制買取させられました!


強制買取していただきました。いやーなんか悔しい!でも、ありがとうございます!

さて、次回ご紹介する「本のテーマ」は?


次回はちょっと趣向を変えて、ブログのストーリーテラーを担当していた和田にお題を出してもらおうかなと。


もう、満を持してですよね。


満を持して、和田さんどうぞー!


▲笑顔の可愛い頑張り屋さん、和田の登場で和む一同


やってきちゃいました。


嬉しいですね。今まで僕ひとりずっといじめられてましたが、やっと敵を倒すための仲間が増えました〜。


僕はいつだって悪役ですからね。
HUNTER×HUNTERのパリストンとか、サイコパスないたずらっ子的な。悲しい宿命…。


▲HUNTER×HUNTERの登場人物である、いたずらっ子パリストンさん


あぁー、わかります。


ふふ(笑) 谷川よりは優しくしたいなぁ〜とは思ってますよ。


うわ、笑顔が怖い!これ完全に谷川さんの悪影響でしょ!


いやいや、そんなことはないですよ!純粋です(笑) ではさっそく次回のお題を発表させていただきます。


おっ。


次回のお題は「The・本」です。


「The・本」…。


はい。この企画の大元でもある本について考えたときに、「本の根本やありのままの姿ってなんだろう?」って純粋に疑問に思ったんです。


これ聞いた時に、良いテーマやな〜と思って。


捻ってるわけじゃないし、和田さんらしいストレートなテーマですね。


そうね、お題って人柄が出ますよね。


うん、人柄は出るけど完全に“谷川イズム”は引き継いでる感じはします。


はは(笑)でも「The・本」って本当に良いテーマだと思いますよ。


だからこそいつもAND SPACEさんには頭を悩まされてます…。でもね、和田さんの純粋な疑問にきちんとお答えできるように頑張ります!


嬉しい!楽しみです!

▲「和田さんのために頑張るぞっ!」と意気込む重永さん


仲間ができた重永さんは強い(笑)僕も楽しみにしてます!では、またお会いしましょう。AND SPACE 谷川でした。


西日本書店 重永でした。


AND SPACE 和田でした!

ストーリーテラーMの証言


ここだけの話ですが…。実は和田さん、もう1つ提案していた案があったらしいんです。でも、谷川に「それおもんない」とばっさり切られてしまったそうで…。この「The・本」は数分で考えたお題みたいです。ボツになったもう1つのお題は「産まれてきてくれてありがとう、産んでくれてありがとうと思える本」…なんだか考えさせられちゃうお題です。

この対談の模様はYouTubeでも。

YouTube内では、文字では表現しきれない谷川の「言ってやったぞのドヤ顔」と、重永さんの「めちゃくちゃ悔しがる表情」と、和田の「かわいい登場シーン」がご覧いただけます。
リアルな「本を強制的に買取させられるサービス」の空気感をお楽しみください。

今回の本に興味を持っていただけた方は、西日本書店さんに足を運ぶか、AND SPACEにお越しくださいませ。

西日本書店さんのホームページはこちら

以上、和田からバトンタッチを受けましたmilkがお送りしました。
「こんなお題やってほしい・参加したい」等のご意見、どしどしお待ちしております。
では、またお会いしましょう。またね。

バックナンバー


Vol.1「創作意欲が湧く本」


Vol.2「価値観を変えてくれる本」


Vol.3「科学または数学の美しさに触れられる本」


Vol.5「The 本」

山田 早佑梨

この記事を書いた人

パッと見は、「不思議の国」から飛び出してきたおバカキャラや、おませなギャルに見られがち。だけど本当は、誰かを支えることや誰かの役に立つことが上手な、目配り・気配り・心配りの国のアリス。その献身的な姿勢は、高校野球のマネージャー、メイドカフェ店員、下着メーカーの社長秘書、BAR AND SPACEのバーテンダーを経験してきたからこそ培われたもの。バーテンとして入社してから約3年。制作現場へコンバートした存在は、変わらずみんなのマスコットであり、結局カワイイもの全般に目がない、軟体あおによし。