こんにちは、AND SPACEの谷川です。
今回は僕がクライアントにヒアリングする時に大事にしている事をまとめました。
制作会社のデザイナーやディレクター、営業向けではありますが、他の業種の方でもお客様にヒアリングする事もあるかと思いますので、参考にしていただけたら幸いです。
1.事前準備は徹底的に
クライアントとの打ち合わせ(会議?ヒアリング?どれでも)に向かう前に、調べられる事はなるべく調べます。
webサイトがある場合は、事前に全ページの内容を頭にインストールしておき、同業他社や市場の動向・トレンドなども、可能であれば調べておきます。
初めて会ったのにしっかり勉強していると、クライアントの信頼を得やすいとともに、共通言語が増えることで話がスムーズに進み、より内容の濃い打ち合わせが行なえます。
2.完全に自分が理解出来るまでいくらでも聞く
「クライアントに話の早い奴と思われたい」「めんどくさい」「クライアントの時間を取り過ぎたら悪い」などの理由で、あまりよく分かっていないのに、打ち合わせを終わらせてしまう人が往々にいます。
しかし、良い仕事をするには、クライアントがどんな状況で、何を考え、何を得意とし、何を目指しているのかを理解しないと出来ません。
そんな重要な事が、簡単に分かろうはずもありません。
ですので、僕は分かったふりをせずに、きちんと自分に何を求められているか、デザインの場合では完成形が頭の中で出来上がるまではヒアリングを続けます。
今までの経験上、ヒアリングし過ぎて怒られた事は一度もありません。
むしろ「こんなに本気で考えてくれているのか」と信頼される事の方が多く感じます。
「とりあえず一度提案書を作ってきます」と言っている営業さん、そこのアナタですよ!
3.具体的な数字を聞く
売上・来客数・現状の広告費など、お答えいただける範囲で可能な限り具体的な数字を聞きます。
これは我々の業界ではあまりしている人が少ないようで、周りに話すと「初対面で売上なんて聞いたりして大丈夫?」と聞かれたりしますが、こちらが普通に聞けば、ほとんどの方が普通に教えてくれます。
教えていただけなかった事も無くはないですが、少なくとも怒られた事はありません。
そもそも、100万円の売上を110万円にして欲しいのか、500万円にして欲しいのかによって行う施策は大きく変わるので、むしろ聞かないと良い提案をすることは出来ないと思います。
僕は広告業、マーケティング業、会計士などは、お医者さんと似ていると考えています。
悪い場所を探し、改善する。
それが人の体の場合は、お医者さん。企業の場合はわれわれ。
ただし、広告は「悪くなくても気になっている箇所を改善する」という場合も往々にあるので、美容整形のお医者さんが一番近いかもしれません。
(マーケティング業は脳外科、会計士は内科といったところでしょうか笑)
ただし、やることは同じ。クライアントの悩みを聞き、施策を考え、実行する。
そう考えた場合、アナタの現状の体重と理想の体重を把握していない状態で痩身手術をしますなんて言われたら、怖くて仕方がないと思いませんか?
4.余談は無くても良い
「親密になる事で仕事がもらいやすくなる」と考え、むしろ余談や世間話をたくさんした方が良いという考え方があります。
その昔、僕もそう考えて、とにかくクライアントと親密になるように意識していました。
その結果、確かに仕事が出てくることはありましたが、あまり良いお仕事になった事がありません。
親密さから生まれる仕事は、あくまで「仲が良い人だから」仕事をくれるのであって、自分を信頼して仕事をくれている訳ではありません。
僕は、良い仕事を行うためには、クライアントからある程度のリスペクトがないと出来ないと考えています。
リスペクトがないと、我々の考えをクライアントの気まぐれで一蹴されたり、突如現れた謎の役員によって方向が完全にひっくり返ってしまったりします。
しかしそのリスペクトは、どれだけ仲良くなっても、良い仕事をすることでしか得られません。
僕も余談は嫌いではありませんし、することもあります。
ただし、あくまで世間話としてしているだけで、「親密さ」を求めてはいません。
また、余談は打ち合わせの前後だけにし、打ち合わせ中は話を脱線させないことが重要です。
余談ですが、打ち合わせ中に脱線が多いクライアントには「その件は本題が終わってから話しましょう」と言うようにしています。
無駄に愛想を振りまかず、真剣にこちらが話していれば、クライアントも「ごめんごめん!」と言ってくれますよ、きっと。
次回「クライアントにヒアリング(打ち合わせ)する上で大事にしている事 その2」では、クライアントの信頼を得る為に意識している事を中心に書こうと思います。
また、僕のディレクションはシストラットの森氏の影響を受けていますので、興味のある方は是非本家をご覧ください。
http://www.systrat.co.jp/myview/main_sample.html
ではまた7週間後に〜。
谷川
この記事を書いた人「本気でぶつかる」第一人者。17歳でロンドンへ短期留学。18歳でデザイナーを目指し制作会社に入社。次第に個人での受注が増え、23歳で起業。以降、じわじわ組織化していく。2021年に社長を退き、現在は顧問的なポジションに。座右の銘は「どうせなら全力」。株式会社デリシャステイク取締役、株式会社BOB不動産取締役、株式会社上田酒店デザイン事務所取締役、大阪総合デザイン専門学校非常勤講師を兼任。肩書が多いため胡散臭いが、会ってみるとホントに胡散臭い(がんばれ!)。