Date: 2021/12/27

本を強制的に買取させられるサービス
Vol.7「嘘つきな本」

「本は値段以上の価値がある財産」そう話すAND SPACE 谷川と、
「人々に本の価値を伝えるのが仕事」と熱く語る西日本書店 重永さんが
本離れが進む昨今だからこそ、本の面白さや楽しみ方をどうにかお届けできないだろうか
と考え、企画した「本を強制的に買取させられるサービス」もVol.7となりました。
今回はどのような本と巡り会えるのでしょうか?

ルール説明

・AND SPACEが本のテーマを提示
・重永さんがセレクトした2冊をプレゼン
・AND SPACEはどちらか1冊を必ず買取らなければならない
・選ばなかった本は、永久に買うこと・読むことができない(他店で買うのもNG)

今回のお題は「嘘つきな本」

「嘘つきの本」ではなく「嘘つきな本」という、少し捻られたお題。
お題に合った本を探す期間がすごく疲弊し、痩せたりリバウンドしたりしていたという重永さん。(これはウソ?)
どんな「嘘」をつく本を紹介してくれるのでしょうか?

登場人物

株式会社AND SPACE 谷川:隠居中。狩人になる計画を立てていたが、冬になってしまったため休止中。

西日本書店 重永:狩人になるための本をこっそり提供している。

Start!

7回目!ですね!「嘘つきな本」っていう少し意地悪なお題を出しましたけど、どうでしたか?

「嘘つき」っていうと、人によって捉え方が大きく変わる言葉なので迷いました。今回は「ポジティブな嘘」の方を押し出そうかなと思い、本を選ばせていただきました!

1冊目

1冊目は、「ないもの、あります」。クラフト・エヴィング商會さんが出版している本で、タイトルから嘘ついてます。内容としては、「一度としてその現物をみたことはないけれど、みんな知っているもの」を古今東西から取り寄せて、読者にお届けしようという内容です。

みたことのないもの?例えば?

「堪忍袋の緒」とか「転ばぬ先の杖」だったり、舌鼓とか。どこに行ったら手に入るか?という素朴な疑問にお答えした本です。ちなみに、ないものありますカタログの中で一番人気なのは、「左うちわ」。

いいですね。僕コピーライターなので、ないものをあるように見せたりする、いわゆる顕在化する仕事なので、読んでて面白いですね。お値段も900円と。

文庫本としてはちょっと高いんですが、本のイラストや内容のクオリティを見てもらえれば納得の金額かと思います。おまけに初版っていう。

この本が第七版まで刷られるって、世にエンタメが必要とされているんだなと感じますね。

2冊目

2冊目に関しては、正直もう無いなって思いました。「ないもの、あります」を見つけた時点で、これ以上のものはないなって。だからここから、誤魔化しにかかります。僕自身が「嘘つき」になります。(笑)

あはは。なるほどね。ワクワクしますね。

「嘘」っていうのは、初めは嘘だったけど後からホントになったりするときありますよね。なんなら、初めの嘘は許されちゃうみたいな。その嘘ってなにかっていうと、歴史でいうトリック(手品・マジック)なんです。

なるほど。

2冊目に紹介する本は、昔は「超能力」や「奇術」と言われていたものが、手品へと昇華されていく歴史を記した本。「トリックといかさま図鑑 / ナショナルジオグラフィック社」です。

ナショナルジオグラフィックじゃないですか!好きなんですよね、ナショジオ。昔少し手品を勉強してた時期もありました。

一回は「やってみようかな」ってなりますよね。手品って昔は、仕掛けがあるという前提ではなくて「自分の力」でやっているという風に見せていたので、さまざまな人々から信仰されやすいイージーな方法だったんですね。

そうですね、新体験を与えてくれる存在って信仰しがちになりますもんねー。さて、お値段は3,600円。ちょっとお高めですね。

今回買い取りさせられる本は?

うーん、悩みますね。

お!悩みますか!

嘘です。

嘘か!なんで嘘ついたんですか!

ははは。今回は悩まないです、「ないもの、あります」を強制買取させられます!

はい、ありがとうございます!悩まなかったですか。

補足すると、「トリックといかさま図鑑」も面白いし、正直欲しいです。けど、テーマが「嘘つきな本」なのでね。

うーん、「嘘つき」ってやはり難しいお題でした。なので「ないもの、あります」は結構ミラクルな出会いでした。

重永さんは、「三国志」を持ってくると思ってました。面白いから許されているだけで、内容はほぼ嘘って言われてるじゃないですか。

はいはい、英雄伝って大体そうですよね。

「三国志」ぐらいでくるかなと思っていたので、今回は想像を超えていて素晴らしかったです。

次回のお題は?

今回は、撮影協力をしてくれている山田にお題を出してもらおうかと。一応、何案かお題もらって最終僕が選びました。いい感じに抽象的で、解釈によって選ばれる本が変わるのでいいかなと。

ほう、楽しみですね。

発表させていただきます。次回のお題は…「暗くて甘い本」!

…??味?味ですか?もう解釈の仕方が行方不明です。

甘いの取り方もいろいろありますもんね。僕だったら出さないお題なので、いいかなと。

暗くて甘い、って聞いてちょっと連想したのは、現代のかわいさとか。

そうですね、ナイトメアー・ビフォア・クリスマスとかはまさに!という感じです。

ナイトメアとかアダムスファミリーは大好きで、アダムスファミリーに関しては全集も持ってるので予めNGにしておきます。

ほぅ。その系統に乗るのか、全く別のジャンルから攻めるのか、迷いどころですね。決め打ちできなさそうなので、次回も2冊でお願いします!(笑)

ははは。了解です、では次回のテーマは「暗くて甘い本」で2冊お願いします。山田が選んで、強制買取させられます!では、AND SPACE 谷川でした。

西日本書店 重永でした。

AND SPACE 山田でした!

次回は「暗くて、甘い本」

相反する言葉を並べたお題ですが、重永さんは一体どう切り抜けるのでしょうか?
次回も乞うご期待です。

重永さんが勤務する西日本書店は、
日本一長い「天神橋筋商店街」に店舗を構えています。

天満や南森町にお越しの際は、
ぜひお立ち寄りください!

山田 早佑梨

この記事を書いた人

パッと見は、「不思議の国」から飛び出してきたおバカキャラや、おませなギャルに見られがち。だけど本当は、誰かを支えることや誰かの役に立つことが上手な、目配り・気配り・心配りの国のアリス。その献身的な姿勢は、高校野球のマネージャー、メイドカフェ店員、下着メーカーの社長秘書、BAR AND SPACEのバーテンダーを経験してきたからこそ培われたもの。バーテンとして入社してから約3年。制作現場へコンバートした存在は、変わらずみんなのマスコットであり、結局カワイイもの全般に目がない、軟体あおによし。