Date: 2023/02/19

ツールだけじゃない!考え方もアップデートが必要になるGA4について解説してみる

マーケティング界隈に戦慄が走った、UA(旧Google Analitycs)からGA4への変更のニュース。
WEB運用者には衝撃と共に、「どう変わるのやろう」という不安と「どうしよう」という焦燥に頭を悩ましてくれる発表でしたね。

ツール自体の移行準備は進めている企業も多いと思いますが、GA4ではそもそもの概念・思想が全く違うため、今までと同じような分析では立ちいかなくなります。

導入・移行方法を解説しているサイトは既に沢山あるので、今回は考え方に着眼して解説していきたいと思います。

あ、今回の解説は見た目は変人!中身は意外とまとも!でご存じのジェシーが珍しく真面目に担当させていただきます。

ユーザー軸のGA4とセッション軸の旧GA

GA4と旧GAの思想の違い
全くの別物になったGA4

旧GAでは「サイトに訪れたユーザーが離脱するまで」を分析する思想でした。つまりサイト訪問単位で同じユーザーの行動でも全く別物として計測されてしまっていました。
その為、旧GAでは本来のユーザーの一連の行動はわからない仕様だったんですね。

ですが、絶対に一度切りしかユーザーが訪れないサイトなんてあり得ません。
分析ツールであるGoogleAnalitycsでは目標の完了率を上げていくために数値を分析し、施策に活かす目的がありますが、セッションベースでの旧GAでは仕様上目標完了率の高い流入チャネルを正確に判断できていなかった課題がありました。

GA4では「ユーザーの一連の行動を」イベントとして分析することが可能になります。同一ユーザーの行動をサイト訪問単位で分断せずに把握することができるため、より正確なユーザー行動から施策へ落とし込むことが可能になるのです。

GA4ではどういう風にデータを分析して活かすべきか

セッションの分析と、ユーザー行動の分析。では実際に今までの分析内容とどのように変えていくべきかを個人的な意見ですが解説していきたいと思います。

GA4ではユーザーエンゲージメント(行動の活性化)を重要指標として分析する

旧GAではセッションベースの分析だったこともあり、直帰率や滞在時間を見ていた企業さんも多いと思います。ですがそもそもでこの直帰率や滞在時間はあくまでセッション(サイト訪問から離脱まで)をベースにしていたため、正確な効果測定指標にはなりませんでした。

その為、GA4ではエンゲージメントからユーザーの行動を深堀して、そのサイト目的に合ったUXになっているのかを施策として活かしていくことが重要になります。

またエンゲージメントを高めることでユーザーが頻繁に訪れるサイトとなり、検索順位の上昇にもつながります

GA4でエンゲージメント率を高めてCV獲得につなげるためのデータ

  • 初回訪問時の流入元:どこを起点としてユーザー接点が起きているかの把握
  • 各ページで発生しているイベント(エンゲージメント):ユーザーがページでどんなアクションを行っているかの把握
  • セッション開始時の訪問ページ:どのページを起点としてユーザー接点が起きているかの把握

上記の指標をCVユーザーと非CVユーザーで見比べることで、マーケティング上のサイト課題が浮き彫りになり、下記のような施策へ落とし込んでいくことが可能になります。

  • 本来集客を注力すべきページを発見し、集客施策へつなげる
  • CVユーザーが起こしているイベントから、重要ページへの導線設置や、ページ構造の改善
  • 初回訪問時の流入元とCV発生時の流入元をつなげる集客施策

GA4では全然違う数値と指標

旧GAとGA4ではすでに述べてきたとおり計測の基準が変わります。
ざっくりとどんな風に変わるのかまとめてみました。

  • 計測方法が違うので数値に差異が発生→単純に旧GAとGA4で比較することはできません。
  • 直帰率無くなります→今まで見ていた指標が無くなります。
  • UIががっつり変わります→慣れるまで時間かかります。
  • BigQueryと連携可能になります→データベース連携でより高度な分析が可能になります。
  • 目標設定も変わります→イベントを定義してコンバージョンとすることに慣れましょう。
  • カスタムレポートが無くなります→週次・月次で自動送信してた場合は出来なくなります。
  • レポート作るの大変です→細かなレポートが作れるようになった反面、大変です。
  • アプリ×ブラウザでの分析が可能になります。
  • フィルタ機能が弱いので、正規表現や後方一致・パラメータ除外などが使えません。

特に大きく変わるのはイベントという計測概念です。

GA4ではサイト内でのユーザー行動にがイベントとして計測されます。
またセッションの定義が大きく変わるのも特徴です。

GA4と旧GAではセッション計測自体の定義が変わります。

さらに、CV計測も変わります。旧GAでは同一の目標に対してセッション内では1カウントしか計測されませんでしたが、GA4ではコンバージョンもイベントの1つとして扱われるため、複数カウントされるようになりました。

旧GAからGA4に移行すると「セッションは減ってるけどCVRが上がってる!!」というケースが頻発しますが、計測方法の違いによるものですのでエラーではありません。

GA4での分析は、重要視するKPIを再定義することから始める

マーケティング戦略での最大の目的は、サービスにとってのロイヤルカスタマーを自動で獲得できる仕組みを作ることに他なりません。

今までの1セッション単位でしか分析できなかった「セッション分析」から「ユーザー分析」へと分析指標が変わることで、定点観測すべき項目もおのずと変わります。

ユーザー起点のマーケティング戦略を立てるためにも、重要指標の再定義が必要不可欠だと考えます。

まだまだアップデート途中感が否めないGA4ですが、早々に思想を変換してより良いサイト運営を行っていきたいですね。

株式会社AND SPACEではGA4の設定は勿論、レポートや重要指標の定義づけからお手伝い可能です。
延べ数百社以上のサイト解析を行ってきた実績もありますので、安心してご相談下さいね。

久々にブログを書いて、全くおふざけポイントを作れなかったジェシーでした!
次回は全力で遊んだブログを書きたいと思います(笑)

ジェシー

この記事を書いた人

パンチの効いた見た目と喋り声は、一度会ったら忘れられなくさせるための事業戦略。それは、圧倒的クライアント主義・シンプル思考・アウトプット120%で向き合うマーケティングの仕事でも心がけている。直視できないほど力強い瞳の奥には、ものごとを分析するサブカルからビジネスまでの幅広い知見と、古き良きヴィンテージものを愛する奥深さが潜んでいる。社員のパフォーマンスUPと会社の生産性UPのためにやってきたジェシーの本名は「◯島」ですが、愛称で呼ばれている理由は、古き良き思い出だからそっとしておいて…。