Date: 2019/03/02

ミスのない文章を作るために「文章作成の基本ルールと文字校正チェックリスト」

花粉の季節が来るたびに、鉄とコンクリートに囲まれたサイバーパンクな世界で安寧を得たいと願う谷川です。

広告やWebサイトを制作するとき、どんなに良いデザインやコンテンツを作っても、文章がミスってたりちゃんとしてなかったら台無しです。
AND SPACEでは文章作成のために色々とルールやリストを作成しています。
何回かに渡ってそれらをご紹介します。

文章作成時の基本ルール

社内スタッフはもちろんのこと、外注さん、またはクライアントに文章の作成をお願いする際に懇願していることです。
印刷できるようにPDFにまとめたものもあり、「AND SPACE的にはこう書いてくれると助かんねんな〜(チラッ)」とお願いしたりします。

印刷用にまとめたpdfはこちら

  1. 和文は全角、英数字は半角で統一(半角カナはもちろん厳禁!)
  2. 括弧や記号、句読点は全角に統一(例「(【[・:、。など)
  3. 「/(スラッシュ)」は全角半角どちらでもかまわないが、半角の場合は前後に半角スペースを入れる
  4. ?や!は、和文の場合は全角、英文の場合は半角に統一
  5. 時間表記を「00:00」で表記する際、「:(コロン)」は全角半角どちらかに統一
  6. 電話番号、住所、郵便番号のハイフンは全て半角
  7. 文末は「だ・である」や「です・ます」など口調を統一
  8. 12時間表記(午前9時・午後9時)、24時間表記(9:00・21:00)が混在しないようにする
  9. 数字の記入の際は3桁毎に「,(カンマ)」を挿入する
  10. 「税込」「税抜」「税別」表記の統一
  11. 三点リーダーは「…」のみを使用
  12. ①②③(丸数字)などのmac・windowsの機種依存文字は使用しない

チェック項目

以下の表は初校段階でチェックするのが理想的です。
めちゃくちゃ長いけど、クライアントの信頼を得るためにはとっっっても大切なことなので、頑張るんだ!

固定情報

社名の正式名称 社名が後「株」か前「株」かも要確認
人物の氏名 よみがなも含む
郵便番号・住所 郵便番号で検索して、住所と整合性が取れているかもチェック
TEL・FAX
メールアドレス
URL 実際に打ち込んでサイトを確認する
営業時間(開店・閉店・ラストオーダー等) 曜日によって異なる場合もあるので要確認
イベント等の日付
定休日
商品名・商品詳細
業種毎の専門用語 業種毎に重要な名詞や表現がある場合は、事前に確認して表記の揺れを防ぐこと
〈例〉美容関係:しみ(シミ)・そばかす(ソバカス)・にきび(ニキビ)等

 

金額表記

カンマの抜けはないか、位置は正しいか カンマなしの場合、ないことが統一されているかを確認する
¥マーク・数字の後ろの- ¥1,000-のように、「¥」「-」は基本半角を使用
(デザイン上、全角を使用した方が良い場合は除く)
総額表示は統一されているか 総額表示であればどの表示方法でも構わないが、ページ内・製品内での統一をすること
税抜き表示の場合は誤解を与えない表記が必須
〈例〉
本体価格10,000円、消費税8%の商品金額の場合
・10,800円
・10,800円(税込)
・10,000円(税別)
・10,000円 ※当店の価格表示は全て税抜表示となっております

 

時間表記

日付に対する曜日の確認 曜日表記がある場合、カレンダーを見て確認する
時間表記が統一されているか 12時制(午前9時・午後9時)、24時制(9:00・21:00)が混在しないようにする

 

句読点

読点「、」は、読みやすい位置にあるか 1文章に対し、2〜3個が読みやすさの目安
語句を並列表記する際の「・」「、」は区別されているか 並列が「・」、区切りが「、」
「・」と「、」の区別を意識して読みやすい文章作りを心がける
〈例〉○ 愛しさ・切なさ・心強さ、小室哲哉 × 愛しさ、切なさ、心強さ、小室哲哉
見出し文末に句点を使用していないか 基本的にない方が好ましいが、各案件のルールにより「句点」を入れる場合もある
「 」( )内に句点を使用していないか 会話文や注釈の「 」( )内末尾に句点は不要、「 」( )の後ろに付ける。
筆者名・クレジットなどを( )に入れ文末に配置する場合、( )前の文末に句点を付ける

 

半角にするもの

文字変換くんを使うと便利

英数字 デザインとして全角を使用する場合もあるが基本英数字は半角を使用する
〈例〉マジンガーZ、オバケのQ太郎など
電話番号・住所・郵便番号のハイフン「-」 文字校正ではないが、ハイフンの高さにも注意する

 

全角にするもの

文字変換くんを使うと便利

かな・カナ・漢字、「・」
+・ー 半角のマイナスはプラスと並んだ際にバランスが悪いので使用しない
「 」( ) 括弧類の半角は、テキストベースラインより下に落ちるので、デザイン上必要な場合以外は使用しない
24時間表記などに使用するコロン「:」

 

記号・約物・単位

「 」( )の使い方 ( )丸括弧の中に「 」鍵括弧が入るのはNG
〈参照〉括弧の正しい使い方と組み方の基本
「 」『 』の使い分け 一般的に会話文は「 」、固有名詞は『 』
〈参照〉括弧の正しい使い方と組み方の基本
ハイフン「-」とダッシュ「ー」の混在はないか 郵便番号・電話番号その他で使用する際、混在しないよう気をつける
文章内の間や音の伸びを表現するのはダッシュ「ー」、記号として使用するのがハイフン「-」
3点リーダーに、「・」が使われていないか 「・」を使った3点リーダーの表現は控え「…」を使用する
単位の表記が統一されているか 〈例〉○か月(1ヶ月・1ケ月・1か月・1カ月・1箇月)

 

開く漢字

かな表記へ変更した方がよい漢字は開くこと 〈例〉誤)下さい ⇒  正)ください

 

表現の揺れ

表記の揺れ 〈例〉おといあわせ(お問い合わせ・お問合せ)など
文体の揺れ 「ですます調」と「である調」を混在しない
漢数字とアラビア数字 基本的には時間や金額の場合はアラビア数字、名詞には漢数字を使用(デザイン上、全角を使用した方が良い場合は除く)
〈例〉誤)一時間 正)1時間
誤)1人ひとり 正)一人ひとり

 

誤字・脱字

漢字の誤変換 単純な打ち間違いがないか
〈例〉自身・自信
外来語の表記 間違われて使用されていることが多いので注意
〈例〉誤)コミニュケーション 正)コミュニケーション  誤)シュミレーション 正)シミュレーション
送り仮名の確認 正しい送り仮名をつけているか
〈例〉誤)送仮名 正)送り仮名
仮名づかい 特定の使い方で似た発音になる、「お」「う」の表記注意
〈例〉通りで → 誤)どうりで 正)どおりで
道理→ 誤)どおり 正)どうり
コピぺミス 文章が途中で切れていたり、文章の繋がりに不自然さを感じたら元データと照らし合わせる
特にWordやExcelは、テキストボックスで表示しきれない量の文章が入っていた場合、表示部分のみコピペされることがある
その他、ソフトによって注意点がある場合は、スタッフ間で共有する
英単語のスペルミス 単語や語句による、大文字・小文字も正確に確認する
「ら」抜き言葉 できる、できないを表現する際に「ら」を抜いてしまいがちな動詞があるので注意
〈例〉誤)食べれない 正)食べられない
「さ」入れ言葉 「○○せていただく」と表現するのは五段活用動詞
五段活用動詞を「ない」の形にしたときに前の語の母音が「あ」になるときは「さ入れ表現」はNG
〈例〉歌う→ 歌わない→
誤)歌わさせていただきます 正)歌わせていただきます
二重敬語 過剰な敬語としてふさわしくない
〈例〉誤)うかがわせていただきます  正)お伺いします・お伺いいたします
誤) 社長様  正) 社長
慣用句 誤用が多い慣用句については意識し、正しい使い方を心がける
〈例〉誤)的を得る 正)的を射るなど

 

読みやすさ

一文の長さ 一文が長すぎると文章のねじれ(主語と述語が噛み合わなくなること)が起こりやすくなるので注意
短い間隔で同じ単語を繰り返し使用していないか ひとつの文章の内で同じ単語を繰り返し使うと、稚拙な印象を与えてしまうので、可能なら変更する

 

その他

著作権法に抵触していないか 記事作成の段階で、著作権に抵触していないかを確認
〈参照〉著作権とは?Web担当者、デザイナーが知るべき著作権
最大級表現を使用していないか 景品表示法によって、チラシ・新聞など、媒体によっては使用ができない表現がある
〈例〉最高、国内最高、史上初 等
政治・思想・宗教に関する内容はないか 原則として避ける
〈参照〉広告文における 【最高・最大表現】 ガイドライン対策のウラ技
引用元の情報は信頼できるか 記事内で引用する地名や固有名詞などの「事実確認」をする

次回は漢字や慣用句に関する文字チェック内容について書きます。
お風呂や温泉大好きなのに檜風呂に入ることを医者に本気で禁止されている谷川でした。

谷川

この記事を書いた人

「本気でぶつかる」第一人者。17歳でロンドンへ短期留学。18歳でデザイナーを目指し制作会社に入社。次第に個人での受注が増え、23歳で起業。以降、じわじわ組織化していく。2021年に社長を退き、現在は顧問的なポジションに。座右の銘は「どうせなら全力」。株式会社デリシャステイク取締役、株式会社BOB不動産取締役、株式会社上田酒店デザイン事務所取締役、大阪総合デザイン専門学校非常勤講師を兼任。肩書が多いため胡散臭いが、会ってみるとホントに胡散臭い(がんばれ!)。