Date: 2023/04/08

GA4(Googleアナリティクス4)移行に戸惑っている方へ

Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス:以下UA)が2023年7月1日でサービスを終了する告知の出現により、「Googleアナリティクス4(以下GA4)」の導入が急がれています。
また、移行後、何が変わるか分からず焦る方もいらっしゃるかと思われます。

この記事では、
GA4の基礎知識やメリット、UAとGA4の違い、GA4導入における注意点を解説します。

GA4について

GA4とは2020年10月にリリースされた第4世代のアクセス解析ツールです。
従来のUAとはアクセス解析方法が大幅に変わり、特にUAでは出来なかったデバイスやブラウザを横断したアクセス解析が可能なったのは重要な点です。
そのためデータの差異を確認したり操作に慣れるためにも、GA4を導入して、UAと並行運用して、変更点を知ることが先決です。

また、UAは2023年の7月1日に測定停止(有償版は2023年10月1日)、データ閲覧は2024年1月1日で終了することが決定しています。
過去のデータは、レポート等でバックアップを持っておくことをオススメします。

GA4がリリースされたの背景

開発の背景には、ユーザーの消費行動、社会の変化が大きく影響しております。

オンラインでのユーザーの行動変化

スマホ利用者が急増するなか、プラットフォームがWEBからアプリへと移行しております。
しかし現行のUAでは、デバイスを超えたユーザー判別ができない、アプリのアクセス解析が難しいという、時代の変化に対応できない問題がありました。
この問題に対応するために開発されたのがGA4です。

複数のプラットフォームを経由するユーザーを把握するため、
WEBページやアプリなどを横断したアクセス解析ができるように進化しています。

個人情報保護の流れ

GDPR(EU一般データ保護規則)の施行やITP(Safariのトラッキング制限機能)の導入など、
個人情報保護の規制が非常に厳しくなっています。

従来のUAの計測方式「サードパーティCookie」によるユーザー追跡では上記の規制に対応ができず、
プライバシーに配慮したデータ取得へと手法が変更されました。
GA4では、世界のプライバシー保護基準に準拠しながら、
「同意モード」の機能追加により個人を特定しないデータであれば収集できるよう設計されています。

UAとGA4の違い

GA4では、マーケティング戦略の根幹にかかわる部分を大きく変更しました。

アカウント構造

UAのプロパティにあった「ビュー」ではなくなり、
GA4では「データストリーム」という新たなデータベースが追加されました。
このデータベースの追加により、UAでは「ビュー」単位でしかレポートを出せませんでしたが、
GA4では「データストリーム」を横断したレポート抽出ができ、WEBページとアプリなどのデバイスをまたいだ解析が可能になりました。

定義の変更・追加

GA4では、従来ページビューを指標とした計測から「ユーザー」と「アクション」を軸にした計測がメインに変更となりました。
上記により、「ユーザー」「セッション」などの定義変更と「エンゲージメント」の定義追加が行われました。

具体的には、クロスデバイスユーザーを同一人物として判断し、1セッションでの複数のコンバージョンを個別測定できるように定義変更されました。
またGA4では直帰率に変わり「エンゲージメント率」が定義追加され、滞在時間や動画視聴などのユーザー行動を計測するように変化しました。

自動計測の充実

従来のUAでは、HTMLやGTM(Googleタグマネージャー)で細かくタグを設定して、イベント要素のカテゴリ・アクション・ラベルなどの設定で、スクロールやページ内クリックなどを計測することが可能でした。
しかしGA4では「ビュー」や「セッション」などの細かな指標をなくすことで、計測が「イベント」に統一されます。
上記により、細かな設定をしなくとも動画視聴やスクロール数、離脱クリックなどが自動計測となり、初心者でも扱いやすくなりました。

レポートの設計

UAではレポート設計が複数パターンから選択できましたが、
GA4ではモニタリング用の「全体把握」ができるレポートが用意されているのみです。
より深堀りした分析をおこなう場合は、目的に応じてカスタマイズが可能でGA4の「探索機能」から自由にレポート設計ができます。

GA4移行に伴うメリットと追加機能

GA4には、従来のUAになかった便利な機能が大幅に追加されており、移行するメリットや追加機能に関して解説します。

WEBとアプリの分析を一元化

GA4導入の最大のメリットは、上記でも説明したクロスプラットフォームでのユーザー解析が一元化されたことです。

データストリームという概念が追加されたことで、従来、別ユーザーと判別した「PCでWEB閲覧→アプリから購入」というクロスデバイスのユーザーも同一ユーザーと認識できるようになりました。
GA4ではユーザーに焦点をあてた測定が可能になり、UAより正確にユーザーの行動把握ができます。

BigQueryが無料で連携可能

BigQueryとはビッグデータを高速分析するための解析ツールです。
UAでは有料版のみ連携できましたが、GA4では管理画面から無料で利用できるようになりました。
BigQueryを介することで深堀りしたユーザー分析ができるだけでなく、BIツールへの出力やMAやCRMとの統合、長期間のデータ保持がスムーズにできるようになりました。

機械学習の導入で未来予測が可能に

Googleツール全般に導入されている機械学習がGA4でも導入され、
ユーザーの購入・離脱の行動予測や収益の未来予測が可能になりました。

この予測値を利用すれば自社のホットリードの傾向を深く分析でき、WEB広告のターゲティングやアプローチ方法のスムーズな施策改善が可能です。
機械学習の精度は時間と共に向上し、将来マーケティングの強い武器になると期待されています。

GA4導入の際に注意すべきこと

GA4導入にあたり、注意すべき点を解説します。

UAのデータはGA4へ移行できない

UAとGA4は互換性がないため、これまで蓄積したデータを移行することはできません。
UAで保持しているデータは、移行完了後、ExcelやPDFでレポートをダウンロードしておかなければなりません。
ダウンロード自体も、2024年1月1日以降は出来なくなります。

また、GA4は、設定後から計測開始となるため、
UAとの数値差を確認するためにもできるだけ早く導入しておく必要があります。

データの保有期間の延長

データ保有期間はUAでは最大50か月間でしたが、GA4では最大14か月間と短縮されています。
またGA4のデフォルトではデータ保有期間が2か月に設定されているため、導入後すぐに「データ設定」の「データ保持」から保有期間を延長しておくようにしましょう。

知識・活用方法の学習時間が必要

GA4は今後のWEB解析に必須のツールであり、マーケティング担当者は本格実装までに仕組みを理解し、操作感に慣れておく必要があります。
また、GA4は現在もバージョンアップを続けており、自分自身も日頃から学習を続けて活用方法や新機能などの知識をいち早くアップデートできるよう意識してゆくことが大切です。

まとめ

ユーザーを軸にしたクロスデバイス分析が可能なったGA4。
従来のUAよりも実態に即したWEB解析ができると期待が高まっています。

GA4の導入によりWEB運用やKPIを根本から見直すタイミングとなり、
より最適化されたマーケティング分析が求められる時代になってきました。

堀岡

この記事を書いた人

父親が転勤族だったため、幼い頃から各地を転々とし、学生時代にアジア各地を放浪するなど、営業マンとして不可欠な行動力と即断力を自然と身につけてきた。AND SPACE入社にあたり、「転職するなら法人じゃなきゃヤダ!」とぶちかましてから5年。社内総選挙の結果、谷川の跡を継ぐ2代目社長に就任。広告業界で数々の成果をあげてきた思考の中心は、なんだかんだ営業マン。クライアントや代理店とのビジネストークは経験値が滲みでる。Web広告の知見と実績は社内随一。あと、もの忘れの酷さも社内随一。ファイ!