Date: 2021/06/09

本を強制的に買取させられるサービス Vol.6 「本の概念を壊しにきている本」

「本は値段以上の価値がある財産」そう話すAND SPACE 谷川と、「人々に本の価値を伝えるのが仕事」と熱く語る西日本書店 重永さんが

「本離れが進む昨今だからこそ、本の面白さや楽しみ方をどうにかお届けできないだろうか」

と考え、企画した「本を強制的に買取させられるサービス」もVol.6となりました。
今回はどのような本と巡り会えるのでしょうか?

ルール説明

・AND SPACEが本のテーマを提示
・重永さんがセレクトした2冊をプレゼン
・AND SPACEはどちらか1冊を必ず買取らなければならない
・選ばなかった本は、永久に買うこと・読むことができない(他店で買うのもNG)

今回のお題は「本の概念を壊しにきている本」

口を開けば「固定概念は邪魔」という谷川が、今回選んだお題は「本の概念を壊しにきている本」。
本自体が本の概念を壊す、という一風変わったお題ですが、重永さんはどう挑むのでしょうか?

登場人物


株式会社AND SPACEの取締役代表:谷川 毎日社員にお酢を飲めと強要してくる。


西日本書店:重永 毎日お酢を飲んでいるので、すこぶる健康。梅雨を一息で吹き飛ばす。

Start!


この企画も今回で6回目となりましたね。


6回目!


今回は「本の概念を壊しにきている本」ということで。


聞いた時「面白いな」とは思ったんですけど、本への愛があるもんで、頭抱えました。


最低限の線引きみたいなものは必要ですよね。


そうなんですよ。悩まされましたねー…。

1冊目


さて、1冊目は。


1冊目は、「WERK magazine No,26」。シンガポールで2000年頃からちょこちょこ不定期で刊行されている雑誌というか、本ですね。


ほー。装丁が格好良いっすね。中身は?と思ったけど、コレ、開けられないんですね。


そうなんです、完全に開けられないんです。両方背表紙というか、もはや背表紙も存在していないというか…。「本であって本でない」、本のどこに”愛”を感じたのかというと…。


なんとなく想像つくね。何かしらちゃんとやってるんでしょう。


中はちゃんとやってないんですよ。基本的に中は高濃度のインクで何回も刷っているだけで、もうほぼ”焼き物”です。


確かにね。本というか、もはやオブジェ。かっこいー!


焼き物の工程を、わざわざ”本”でやったっていうのは”本への愛”以外何物でもない気がします。付属のポスターも、文字を書いて刷って書いて刷っての繰り返しなんですよね。


ある意味ちゃんとしてる。妥協せずやってる。


そうなんすよ!!


ちゃんとグラフィックとして美しいし。極端な話、誰かが本を切って中を見たって恥ずかしいものではないよね。


そう、恥ずかしいものではない。


素晴らしいなー。どこかの高級時計が、一番小さい部品にもロゴを入れてるって聞いたことがあって。それは、永久に時計職人しか見れないロゴらしいんですよ。この話しに近い贅沢さがあるなと思いましたね。


対象への愛情とリスペクトを感じますよね。


愛ね。愛は突き詰めると凶器になる、みたいなね。


おぉ、確かに。破壊との裏表みたいなね。


素晴らしいし面白い。グッときた。お値段の方は…税別8,500円!

2冊目


さて。2冊目はシンプルに「ビックブック 大きなカブ」。”閉じてない”1枚の本です。

ビックブック 大きなカブ


なるほど。屏風的な。


ではなく、単純に1枚で、いろんなところに物語が書いてあるんです。片面が英語、もう片面が日本語表記です。


でかー!!!!


”本”に対するリスペクトはもちろん感じるんですが、”おおきなカブ”自体へのリスペクトがすごいんですよね。童話に対して、「こんなリスペクトと愛を与えてくれてありがとう!」という感謝を感じるというか。


感じるね。


加えて、一応撥水加工が施されていて。小さなお子さんが破ろうとしても破れにくくて、濡れても大丈夫っていう。


なるほど。読み手への気遣いもすごいね。お値段は…税別1,800円!



今回は、ド直球な本とちょっと変化をつけた本を選びましたが、どうでした?


良かったっすね。面白かったです!この企画にどんどん慣れていってますね、重永さん。


安心しました。いつもやられっぱなしじゃよくないですからね。


最新の自分が最高の自分ってやつですね。(AND SPACEのポリシー)

結果発表


さて結果発表です!重永さん、なんとなく分かってるでしょ(笑)。


そうですね(笑)。


はい!今回選んだのは、「WERK magazine No,26」です!「WERK magazine No,26」を強制買取させられましたー!!


やはり。ありがとうございます!


どっちも非常に良かったんですけど‥。「WERK magazine No,26」の方が、人に「こんな面白い本あるでー」ってオススメする専用の本って感じがしますね。外装も格好良いので、オブジェとして飾りたいです。


そこまで刺さっていたのなら嬉しいです!ぜひ、飾ってあげてください。

次回のテーマは?


次回も2冊でいきましょうかね。お題は「嘘つきな本」!ニュアンスが大切で、「嘘つき”の”本」じゃないです。「嘘つき”な”本」です。


…今、モヤッとしたものが僕の胃の上にのしかかってます…。真剣な顔をしているようで、ただパニクってるだけです。


ははは。「嘘つき”の”本」は正直カンタンだと思うんですよ。ただ今回は「嘘つき”な”本」。自分で考えといて意地悪なお題やなと思いますよ。


ほんまね。次この場に立ってるかな。


はは。最近いろんな人と話していて、「自分自身に嘘をついている人」が多いなと思って。自分を自分でいじめるというか。


その性質の人って結構いらっしゃる気がしますね。


それで「嘘つき」ってなんだと考えて。結局、「みんな自分自身に嘘をつき続けて生きてる」に落ち着くんですけね。


そんなバックグラウンドがあるわけですね…。少しでもその思考のお手伝いができる本を選んできます!胃が痛いですが…。


あざす!今回は少しニヒリズムなお題にしてみました。


たまには遊ばないとですもんね。


うん。楽しみにしてます!ではでは、また次回ですかね。またAND SPACEブログにてお会いしましょう〜!AND SPACE 谷川でした〜!


西日本書店 重永でした!


今回の本に興味を持っていただけた方は、西日本書店さんに足を運ぶか、AND SPACEにお越しください。

事務所が移転し、住所が変わったのでお気をつけて!
AND SPACE大阪本部:大阪市北区天神橋3-10-14

西日本書店さんのホームページはこちら

「こんなお題やってほしい・参加したい」等のご意見、どしどしお待ちしております。
では、またお会いしましょう!

山田 早佑梨

この記事を書いた人

パッと見は、「不思議の国」から飛び出してきたおバカキャラや、おませなギャルに見られがち。だけど本当は、誰かを支えることや誰かの役に立つことが上手な、目配り・気配り・心配りの国のアリス。その献身的な姿勢は、高校野球のマネージャー、メイドカフェ店員、下着メーカーの社長秘書、BAR AND SPACEのバーテンダーを経験してきたからこそ培われたもの。バーテンとして入社してから約3年。制作現場へコンバートした存在は、変わらずみんなのマスコットであり、結局カワイイもの全般に目がない、軟体あおによし。