Date: 2020/08/17

元・海外ビールメーカー社員が伝えたい『宅飲み海外ビール』のすゝめ

お盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか?
AND SPACEの家電担当、永岡です。最近はIoT家電がアツいです。

アツいと言えば、今年の夏はほんっっっっっとうに暑いですね。
毎年言っている気もするんですが、今年は特にだめですね。エアコンが効きにくいのはもう末期でしょう。
それに加えてコロナ禍ということもあり、外出もしていいのやらダメなのやら…ストレスばかりが溜まっていきますよね。

と、そんな中、今年SNSなどでもよく目にする『Zoom飲み』、オンライン飲み会が流行っていますが、皆さんの中でもすでに経験した方はいらっしゃるのではないでしょうか?私自身も週末友人とビデオ通話をしながらお酒片手に数回やってみましたが、とても気が楽なんですよね。
コンビニで2,3本お酒を買い、サクッと好きなつまみを作って、部屋着に着替えて、PCを準備!あとは「つながる」「たのしむ」「寝落ちする」というニクイ終電を気にしない安心仕様!オンライン飲み会、最高!
もちろんリアルで会っていろいろ話すほうが楽しいのですが、これはこれでまた違った面白さがありますよね。

さて、前置きが長くなりましたが、今回はそんな宅飲みを支えるアイテムの一つ「ビール」に重点を置き、元・海外ビールメーカー務めの私が『宅飲みビールのすゝめ』ということでいろいろお話させていただきたいと思います。
コスパの良いチューハイもいいですが…たまにはビールを選択肢のうちの一つにしていただけると嬉しいです。

そもそも海外ビールって身近に買えるの?

結論から話すと、結構買えます。
コンビニエンスストアでもいまでは有名なものなら置かれるようになりましたし、スーパーマーケットも他社との差別化を図るため陳列する店舗も増えました。
中でも

  • ローソン
  • 成城石井
  • カルディ
  • イオン(イオンリカールのある店舗)
  • ライフ
  • SEIYU
  • 阪急オアシス
  • ヨドバシカメラ

このあたりの量販店は他と比べても、かなり種類が置いているイメージです。
海外ビールに興味がある方は、まず上記の店舗を覗いてみると、自分好みの商品と出会えるかもしれません。

最近は国内のクラフトビール需要が高まり、ローソンでも「水曜日のネコ」や「インドの青鬼」、「よなよなエール」などが簡単に買えるようになりました。

いま名前を出した3商品はみなさんも「あっ、見たことある。」と感じたのではないでしょうか?
そう、この商品たちが日本のクラフトビールブームの火付け役と言っても過言ではない『ヤッホーブルーイング』から発売されている商品です。
ブランディングや商品展開、デザインもレベルの高い会社ですので、一度いろいろ見てみてください。

ただ、これらはクラフトビールの仲間ではありますが、れっきとした日本生まれ日本育ちのビールです。インドとかも言ってますが、普通に長野県の軽井沢で造られています。間違っても「インドビール」とかは言わないように。

さて、気になるのはこれらにどんな違いがあるかというところですよね!
きっとビールを普段飲まない人も「ラガー」と「エール」といった言葉は耳にしたことはあるんじゃないでしょうか?
海外ビールを楽しむ上でこの2つをふんわりわかっておけば、初めて買うビールでも大ハズレはしないはずなので、ぜひ違いがわかるようになっていただければと思います。

「ラガー」と「エール」の違いとは?

ということで、ここではよく耳にする「ラガー」と「エール」の違いを説明させていただきます。

超端的に言うと「製造工程」の違いです。
ラガービールは「下面発酵」と呼ばれる発酵方法で醸造され、エールビールは「上面発酵」と呼ばれる発酵方法で醸造されます。
知らない方のために説明すると、ビールは一般的に大麦を発芽させた麦芽を、酵母によりアルコール発酵させて作ることができます。
前述の下面発酵・上面発酵がなんぞやというと、下面発酵では0〜10℃前後の低温で7〜10日かけて発酵させます。その過程で、酵母が下に沈むので「下面発酵」と呼ばれます。
対して、上面発酵では20〜25℃前後の比較的高温で3〜4日かけて発酵させます。その過程で、酵母が浮き上がってくるため「上面発酵」と呼ばれています。

おさらいすると、下の表のようになります。

  ラガー エール
醸造方法 下面発酵 上面発酵
発酵温度 低い 高い
発酵期間 長い 短い

そしてみなさんが気になる味の違いですが、これも超端的にまとめると、ラガーは「のどごしとキレ」、エールは「味わいと香り」が強いとされています。
パッとイメージしやすいのは、ラガーはよく皆さんが居酒屋などで頼むと出てくる生ビール(国産メーカーのメインビール)で、エールは先ほど紹介したよなよなエールなどですね。

ちなみに少しビールをよく飲む方ですと「あれ?IPAはどちらでもないの?スタウトは?」となるかもしれませんが、誤解です。
エールの仲間に「ペールエール」「IPA」「スタウト」などが分類され、ラガーの仲間に「ピルスナー」「シュバルツ」などが分類されます。
基本的には、上面発酵か下面発酵かで分けられるということですね。
実際は、樽熟成や自然発酵、ランビック…など他にもありますが、一般的に小売店では販売されていないものも多いので割愛させていただきます。
もっと詳しく知りたい方はキリンビール社が運営する「キリンビール大学」というコンテンツマーケティングを覗いてみると、もっといろんなことを知ることができます。ぜひ、興味がある方は覗いてみてください。

初心者でもおすすめ「宅飲み海外ビール」

ここからは私の独断と偏見、かつ市場に割と出回っていて手に取りやすい商品を何点かおすすめします。
種類をもっと見たい方は検索すればいっぱい出てきますが、今回私が着眼したいのは「手軽に手に入る」「つまみとも合う」「オンライン飲み会のちょっとした話題にできる」の3点を重視して選定させていただきます。

コロナ・エキストラ

販売店:最近はどこでも
種別:ピルスナー(ラガービール)
特徴:透明なガラス瓶、ライムを刺して飲む

海外ビールの定番中の定番。正直ここで語ることは何もありません。
この名前のせいで変な風評被害まで受けてしまいましたが、このビールが世界で最も愛されるボトルビールであることには変わりなし。
すっきりした味わいとちょうどいいキレがあるライトなビールで、日本のラガービールと違い料理の邪魔をしない風味なので、つまみ片手に飲むのは最高です。
実際、家で飲むときはライムを刺してもよし、女性の方であればビアカクテルにしてしまうのも手かもしれませんね。

コロナビールはメキシコのビールなので、メキシコ料理は相性抜群です。
…が、流石に日常的にメキシコ料理を頻繁に出す家庭なんてそうないはずですので、おつまみとして個人的におすすめなのは、コンビニチキンのホット(辛いやつ)。
コンビニチキンはとても美味しいのですが、脂っこいのが厄介ですよね。しかし、コロナビールのすっきり感と合わせることで相性抜群。
コンビニチキンとコロナビール、ぜひ試してみてください。

ブリュードッグ パンクIPA

販売店:成城石井、ライフ、阪急オアシスなど
種別:IPA(エールビール)
特徴:他のIPAと圧倒的に違う「苦味」、グレープフルーツのような爽やかさ

こちらもすっかり輸入ビールの定番となったブリュードッグ「パンクIPA」。
IPAというのは「インディア・ペールエール」の略で元々は18世紀頃にインドで人気を得たペールエールスタイルの一つで、21世紀の現在、アメリカのクラフトビールでは最も多く醸造されている。ビールの苦味を引き出すホップの含有量が多く、強い苦味とフルーティーな香りが特徴的だ。
パンクIPAはスコットランドで生まれたビールで、ホップが他のビールに比べなんと40倍。ホップは高原価な原料だが、創業者ジェームズ・ワットはコストを度外視し、「世界一のIPAを生み出す」と目標を掲げ造られたビール。
開栓した瞬間ホップの香りが広がり、グラスに注いで飲んだ瞬間は、香りのイメージのままグレープフルーツのような爽やかさがあり、徐々にすごい勢いでホップの苦味が口を満たします。

パンクIPAに合うつまみはやっぱりソーセージ。コンビニのフランクフルトなどもいいでしょう。
ホップの苦味と、ソーセージの肉汁がとても良く合います。

ちなみにパンクIPA以外にもブリュードッグの商品は日本に結構輸入されているので、見かけたら手にとってみてください。
それぞれ、他のビールメーカーとは一味違ったビールを楽しめます。

ヒューガルデン・ホワイト

販売店:最近はどこでも、ライフなどは確実。
種別:ベルジャンホワイトエール(エールビール)
特徴:「水曜日のネコ」の元となったビール、クセがなくスッキリ飲みやすい

最後にもう1種類だけ紹介させてください。
ホワイトビールの元祖、「ヒューガルデン・ホワイト」です。
14世紀にベルギーのヒューガルデン村で修道士たちが作り始めたとされるビールで、ホワイトビールと呼ばるだけあって乳白色がかった淡い黄色が特徴的。
ビール特有の苦味が少なく、副原料にコリアンダーシード、オレンジピールなどが使われており、スパイシーながらも爽やかな飲み口で、ビール嫌いにもおすすめできる1本です。
最近はスーパーでもそこそこ買うことができ、普通のラガービールと比べると割高ではありますが、買う価値のあるビールだと私は思います。

最近では「ヒューガルデン・ロゼ」というヒューガルデンをベースにしつつ、いちごやりんご、ラズベリーなどを配合したフルーツビールに近い商品も展開され、女性にも人気です。

ヒューガルデンに合う料理はたくさんありますが、意外とおすすめできるのは「刺し身」です。「え?ベルギー料理じゃなくて?」と思われるかもしれませんが、これまた日常的にベルギー料理が食卓に並ぶ家庭なんて日本にほんの僅かしかいないでしょう。
刺し身のように単体で生臭い食べ物であっても、ヒューガルデンのコリアンダーシードでかき消してくれるのでおつまみとして最高です。(実際、公式のフードペアリングにも魚介類は合うとされています。)

夏の終わりに海外ビールを!

いかがだったでしょうか?
ビールは意外と奥深く、ウイスキーやワインと比べると比較的安価で楽しめるので、お酒に触れてみたい人にはうってつけだと私は思います。
ちなみに今回は3商品のみのご紹介でしたが、他にもいろんな海外ビールが輸入されているので、今度スーパーに行ったときなんかは覗いてみてください。
ちなみにリアル店舗だと、東京・大阪にお住まいの方はぜひ「クラフトビアマーケット」に足を運んでみてはいかがでしょうか?
こちらでは、常時10種類以上のクラフトビール・海外ビールが樽生で楽しむことができるので、海外ビール入門にはうってつけのお店です。

最後に宣伝になりますが、ご紹介した中でも一番のおすすめのヒューガルデンホワイトは弊社大阪オフィス2Fの「BAR AND SPACE」でも楽しむことができますので、大阪にお住まいの方はぜひ一度お越しください。
最近はちょっとしたお料理も楽しめるので、より一層美味しくビールを飲むことができます。

BAR AND SPACEの情報はこちら